オフィシャルレポート九州編

9:30 宮崎空港で娘、陽子を出迎える

昨日は、わたしの気持を代弁するかのように、温暖なこの宮崎に雪が舞った。何年振りだろう。今日はその影響か、まだ風が冷たく耳たぶが痛い。
陽子はこの春いよいよ嫁いでゆく。一人娘だ。それはそれは手塩にかけて育ててきたわたしの宝だ。そんな陽子が久しぶりにこの宮崎に帰ってくる。娘の飛行機は9:30到着予定なのに、わたしの車は早々に到着してしまった。
落ち着かずにインフォメーションコーナーにあるパンフレットを何気なく読んでいると、後ろから「お父さん!着いたよ!」の声。振り向くと陽子が満面の笑顔で手を振っていた。

トランクに荷物を載せ、車に乗り込み空港を後にした。「どうだ、疲れたか?」と尋ねると「ううん。全然!飛行機は早くていいよ。」と笑う。じゃあ、もっとマメに帰ってこい!と小言を言いたくなるのをぐっとこらえ、アクセルを踏み込んだ。
「ねぇ、お父さん、青島に行かない?」唐突に陽子が言う。青島か、お前が幼いころは夏になるとよく連れてきたものだったな。渋滞知らずの宮崎の道路を快適に進み、青島へ向かう。

10:00 鬼の洗濯板、青島到着

「うわ~!すごい。やっぱり抜群に奇麗!東京じゃあ、こんな景色は見られないよ。さすが天然記念物だね!」鬼の洗濯板に光がきらきら反射して輝いている。「おまえ、小学生の時ここで蟹に鼻を挟まれて、びっくりして転んで大泣きしたなぁ。覚えてるか?」「覚えてるに決まってるでしょ。今思えば小さい蟹だったのに、あの時はすごく大きく感じたなぁ。わたしも大人になったもんだよね。ふふふ。」「ははは、言ってろ(笑)。まだまだおまえなんか・・・。」子供のくせにと、言おうとして言葉に詰まった。もうすぐ嫁に行く娘に子供は無いからな。

青島神社に向かいながら、たわいもない話で盛り上がる。「このあたりは昔から変わらないね。」そして、ふたり並んでのお参り。一体何年ぶりだろう。陽子が生まれてから今日までの思い出が走馬灯のようによみがえる。「お父さんは、何をお祈りしたの?」「・・・け、健康。」嘘だ。とにかくお前の幸せのことしか祈ってない。「わたしはねぇ、結婚式が無事成功しますように~!」あぁ、気楽なもんだ。

11:15 道の駅 フェニックスで水平線を見ながら小休憩

堀切峠の山坂道を抜けると、突然前方が開ける。そしてどこまでも広がる真っ青に輝く海に出る。何度来てもここは本当に気分がいい。これぞ宮崎を代表する景色だ。数年前にバイパスができたこともあり、海岸を通るこの道が混むことも少なくなった。道の駅に車を止め、少し散歩する。「いい天気だね。気持ちいい~!」海に反射する太陽のせいなのか、それとも花嫁になる娘というのは、かくも眩しいものなのか。

「茂くんにもこの景色見せたいなぁ。」出た。またヤツの話か。「どうだ、どうせなら鵜戸神宮にいくか。」「あ!行く行く!あそこ安産の神様だもんね。」何!孫だと!まだ早い!子供が子供を産む気か!

PAGE TOP