オフィシャルレポート九州編

12:00 日南市、日向灘に面する「下り宮」の鵜戸神宮へ

往来する車も少なく、スムーズに220号線を南下して鵜戸神宮へ向かう。陽子の話に相槌を打っている間に、気がつけば目的地に到着していた。

楼門を抜けて急な階段を進む。ゆっくりと歩いて5分ほどの道のり。息があがる。わたしも年を取ったものだ。それもそうだ。よく考えれば陽子も今年で30歳だ。決して早くない結婚である。

「よし、今度は早く孫ができるように祈ってやろう。」「え~!いいよぉ!お父さんは自分とお母さんのことを祈りなよ。」真っ赤になって照れている。
そういえば、小学校に上がってしばらくした頃、お父さんとはもう一緒にお風呂に入らないって宣言された時も、こんな真っ赤な顔してたなぁ。

ここは神殿前の海上にある亀の形の大岩「霊石亀石」の背中に、運玉を投げて当たれば、願いが叶うといわれる。「お父さん、やろう!」男性は利き手でない左手で投げなくてはならない。5粒ある運玉にひとつひとつ願いを込め、水の溜まったくぼみに向かって投げる。そして、5投目。…ポチャン!「入った!」「お父さんすごい!真ん中に入ったよ!」陽子よ。おまえはこれで間違いなく、いやでも幸せになるよ。

13:15  シェラトン・グランデ・オーシャンリゾートに到着

「ねぇねぇ、お腹すいてきたよ。」唇を尖らせ陽子が言う。「はいはい。お嬢様。今日は特別な席をご用意いたしましたよ。」「わ~!さすがお父さん、わかってる~。」現金なやつだ。これで本当に茂くんの妻が務まるのだろうか…。

フェニックス・シーガイア・リゾートは、南北11km、約700haにわたって広がる黒松林に囲まれた自然の中に広がるリゾート。その宿泊施設の一つである、客室数743部屋、九州一の高さを誇る154mのプリズム型ホテル「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」に到着した。ここは九州でも自慢のホテルだ。

エントランスを抜け、コンシェルジュデスクへ向かおうとすると、「え?レストランはこっちだよ?」と不思議そうな顔をする陽子。「いいんだ。今日はおまえとゆっくり海を見ながら過ごせるように、部屋で食事を手配したんだ。」「え?お部屋で食事できるの?すごいね!」喜んでいる陽子を横目に部屋へ。本当は自分のためでもあるなんて、とても言えない私だった。

※ 通常、インルームダイニングは、ご宿泊および、ショートステイのお客様に限ります。今回は取材のため特別にご用意いただきました。

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