VOICE ジャーナリストの声(実験開始前プレインタビュー)

2020/02/27

飯田 裕子 さん

<プロフィール>
モータージャーナリスト。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。JAF交通安全・環境委員会委員。独自の視点は『人とクルマと生活』。海外生活や取材経験を活かし日本の車社会にも注目。女性にもわかりやすいクルマや技術、カーライフの紹介が幅広い支持を得ている。ドライビングインストラクターとして安全とエコの啓蒙活動にも積極的に取り組む。

VICSの活動に期待するメッセージ

これまでもVICSは国と連携した情報の活用を強みに、交通インフラの整備と情報提供を行ってきました。その目的は様々な要因で発生する交通集中による渋滞の解消、交通分散にあります。一人のユーザーとしてクルマによるプライベートな移動の魅力は人も愛犬も荷物も時間も自由であるということ。
渋滞が減ればストレスのない移動が可能になり、目的地までの移動時間の予測がし易くなる。
必要以上のガソリンの消費、CO2の排出量も減り環境負荷も低減可能になります。
さらに意識しておきたいのは昨今の台風や地震、ゲリラ豪雨/雪など想定外の規模で起こる自然災害。VICSは昨今の台風災害時もFM多重放送による安定した情報提供ができたのだとか。
さらに衛星回線がこれをバックアップし、自家発電システムも常にスタンバイ。災害による停電時も道路交通(避難、救援・救護、物資提供などを含む)の維持に期待ができ、これはイザというときの安心/安全にも繋がるのではないでしょうか。

プローブ情報を活用した
道路交通情報サービスが叶える
交通社会へ期待するメッセージ

クルマは自動運転の開発を目指し段階的な運転支援技術の導入が進んでいます。
これにより渋滞時や長距離移動のストレスがすでに軽減されているという実感があり、安心/安全な移動をしやすくなっています。とはいえ、そもそも幅広い道路ユーザーが渋滞を回避したい、渋滞による交通混乱を低減したいと願っているはずです。そこで正しく沢山の情報がよりスムーズに集約され、幅広い道路ユーザーに届くというのが理想です。
2020年4月より「プローブ情報を活用した道路交通情報サービス」の実証実験が一都六県で開始されるのだとか。
具体的に注目したいのがこれまでのVICSワイドに自動車メーカーやナビ/地図メーカーのプローブ情報(クルマの位置、時間、速度)をVICSが集約しビッグデータとして活用すること。これまでも各社が独自で集約した情報サービス(渋滞予測に基づくルート案内など)を行っており、VICSでもタクシーのプローブ情報の活用を始めていました。今後はこの情報量が更に増すことになります。
これにより道路交通情報の網羅性は首都圏だけでもなんと30%から70%にまで拡大するのだとか。情報収集/提供のできる道路が増えるメリットは多岐にわたり、なかでも交通情報の発信/受信インフラ整備の手が届きにくい地方のローカル道路の情報整備に期待が持てます。
人口密度の大小に関係なくその土地のリアルな交通から得られるプローブ情報が観光シーズンや災害時にも役立つはずです。
今後、VICS情報をますます積極的に活用する段階に入り、災害に強い道路交通環境の整備にもこれまで以上に、一役を担うことが期待できます。